No.7
 | 「う…う〜ん…。あぁ疲れた〜。あ、ちょうどお3時だ。たまには奮発して、喫茶室にでもいってみようかな。あれ?ツジキョンだ。」 |
 | 「あら、愛依。喫茶室入るの?いっしょに行っていい?」 |
| 「いいよ。ツジキョン、どこか出かけてたの?スーツなんて珍しいじゃん。」 |
| 「そうなんだよ〜。この暑いのに、大学まで青田刈りさ〜。」 |
| 「青田、どうだった?」 |
| 「なんか、いまひとつパッとしないのよね〜。」 |
| 「イマドキの若いのはそうかもね〜…といいつつ、抹茶ドリンクをすすったりして。」 |
| 「うわ〜、愛依、ババクサ…。」 |
| 「で、一人もいいのが見つからなくてヘトヘトってとこ?」 |
| 「それもあるんだけど、問題は大学の就職担当なのよ…。」 |
| 「えっ?」 |
| 「なんか、こう、学生の数百倍真剣なのよね。見てて気の毒なくらい。」 |
| 「ああ、一人でも学生を多く就職させるのが商売だもんね。」 |
| 「なんていうかなぁ、接待も度を越すと賄賂じみてくるというか…。」 |
| 「うわっ、高級料亭でおもてなしとかあるの!?」 |
| 「さすがにそこまでは…。でも、お土産にビール券渡そうとしたり。」 |
| 「あ、それは賄賂くさい!!」 |
| 「青田刈りに来た社会人にお土産なんて、一昔前は信じられないものだったもんね。」 |
| 「学生のほうは、ちゃんと就職活動してるの!?」 |
| 「それがねー…『なんとかなるでしょ』って感じなのよね〜…。」 |
| 「そうなんだ〜。あー、でも思い出すなー。就職活動。」 |
| 「愛依は何社くらい行ったの?」 |
| 「2社。最初行ったところはイマイチだったけど、2つ目のココが気に入っちゃったからそれ以上は回らなかったの。」 |
| 「運命の出会いだったわけね。」 |
| 「ツジキョンは?英語得意だから外資系とか結構回ったんでしょ?」 |
| 「実はココだけなんだ。だってあたし、卒業9月だったから…。試験受けて、受かっちゃったからそれ以上悪あがきするのはやめたの。」 |
| 「そうか!ツジキョンは帰国子女様でしたね。だから、抹茶ドリンクがババクサくみえるのよ。」 |
| 「関係ないと思うけどなぁ…」 |
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